今回は「五輪」という商標について、ビジネス上の留意点をお話したいと思います。
東京五輪の盛り上がりにあやかって、「五輪」や「オリンピック」などの文字を、自社製品を販売する際の広告や店頭に設置する幟(のぼり旗)等に使いたいと思っていらっしゃる方も多いと思います。例えば、「祝!東京五輪開催」、「オリンピック開催記念セール」などと表示したチラシを配る行為や、商店街の飾りつけとして使用する行為が想定されます。結論から申しますと、「五輪」、「オリンピック」を営業上、使用する行為は商標権侵害のみならず、不正競争防止法上の違法行為(五輪やオリンピックのブランド力・信用に不正に便乗する行為)に該当する可能性がきわめて高いです。但し、正当な権限を有する者から許諾を受けている場合、この限りではありません。
「五輪」は「コミテ アンテルナショナル オリンピック」という組織が大半の商品分野・役務分野で商標権を有しています(登録第6118624号)。
「オリンピック」は「コミテ アンテルナショナル オリンピック」、「公益財団法人日本オリンピック委員会」が複数の商品分野、役務分野で商標権を有しています(登録第3275674号等々)。
「五輪」や「オリンピック」の使用が認められるのは、巨額のスポンサー料を支払っている大会スポンサー企業であって、その多くは大企業です。
したがいまして、殆どの企業や個人事業主は「五輪」や「オリンピック」を商売で使用することができませんので、くれぐれもご注意ください。
参考までに、大会組織委員会などの関連機関が指摘する、不正便乗商法のおそれがある例を以下にお知らせします。
1.TOKYO2020●●●●●
2.●●リンピック
3.祝!東京五輪開催
4.2020スポーツの祭典
5.目指せ金メダル
6.ロンドン、リオ、そして東京へ
7.2020年にはばたく子どもたちを応援
8.オリンピック開催記念セール
9.2020円キャンペーン
10.祝・夢の祭典