VOL.22 2019年4月施行の法改正について

VOL.22 2019年4月施行の法改正について

2021年08月20日 【

今回は2019年4月に施行された法改正についてご案内します。

特許を取得するために必要な印紙代は、出願時に支払う印紙代、出願審査請求(注)を行う際に支払う印紙代、特許査定後に支払う印紙代に大きく分けられます。

このうち、出願審査請求を行う際に支払う印紙代が以下のように変更になりました。

 

(旧料金)118,000円+(4,000円×請求項の数)

(新料金)138,000円+(4,000円×請求項の数)

 

旧料金と新料金のどちらが適用されるかについては、下記画像をご参照ください。

審査請求(出典:特許庁ホームページ)

 

上記のとおり、新料金は旧料金よりも2万円高くなります。特許庁は新料金を導入する一方で、減免措置の適用対象を大幅に拡大しました。

従来の減免制度では、一定の要件を満たした中小企業者、個人事業主等に対し、印紙代を1/3とする措置がとられていました。しかしながら、この減免制度の恩恵を受けることができる中小企業等はごく一部でした。

そこで特許庁は、新たな減免制度を設けました。減免対象と適用時期については下記画像をご参照ください。

減免リスト(一部)(出典:特許庁ホームページ)

その他、独立行政法人や公設試験研究機関等も減免の対象になります。詳しくは特許庁ホームページをご参照ください。

減免(出典:特許庁ホームページ)

減免の適用を受けるために必要な手続も非常にシンプルで、登記簿謄本や決算報告書等の書面を準備する必要がありません。

新減免制度で特筆すべきは、ほとんどの中小企業等が新減免制度の適用を受けることができるようになったことです。すなわち今回の改正は、中小企業等の特許出願件数を増加させることが主な目的となっています。

その一方で、新減免制度の適用を受けられない大企業にとっては、費用負担が増加します。そのため、大企業の特許出願件数が減少するのではとの懸念があります。

 

(注)出願審査請求

特許を取得するためには、特許出願手続とは別に、特許出願日から3年以内に出願審査請求を行う必要があります。特許出願手続と同時に行うことも可能です。

特許出願日から3年以内に出願審査請求を行わなかった場合、その特許出願に係る発明は特許を受けることができません。

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